友達が前に教えてくれた素敵な本のことをふと思い出して一乗寺にある恵文社へ。手に取ったのは「ヤナの森の生活」ハワイのキラウェア火山が爆発してできた溶岩の大地に導かれた彼女は、そこに実のなる木を植え、自分の周りの自然のお世話をして、大地からの恵みをいただきながら暮らしている。アーティストである彼女のおうちはおおきなヤシの木の下に張ったタープの下。手づくりのもので彩られた素敵な空間の中心には、中央には鮮やかなタイルで飾られたファイアープレイスがあり、壁はないけれど、キッチンやベッドルーム、仕事部屋もある。週一回のマーケットではみんなが自由に、作ったものを売ったりおしゃべりしたりピクニックをしたり。
読んでいるうちに、なんだかアリシアベイローレルさんの「地球の上に生きる」を見たときのワクワク感がよみがえってきました。そこにあるキラキラした空気感が感じられ、なんだか眠っていた原始的な感覚が呼び覚まされた感じ。宇宙の環の中で自然に身を委ねて生きる。手づくりの暮らしは消費ではなく、循環。そう、私が望んでるのは「消費」ではなく「循環」なのです。
顔の見えない一方的な消費に対して、循環は巡り巡って自分だけでなく、自分の周りもハッピーになっていく。何も減らない。どんどん豊かになっていく。
私は、ひとり一人が本当にやりたいこと、できることを生業として誇りを持って生きて行ける世界になれば様々な問題が解決されると思っています。ひとり一人が、誰か他の人や、世間が望む生き方ではなく、その人個人が本当に望んでいる生き方をすること。だからやりたいことに向かって生きている人や、もうすでに実践している人を見ると嬉しくなるし応援したいなーと思う。そうやって素敵な循環をつくれば大きなシステムに頼るよりもっとしっかりとした生き方ができるかもしれない。
2011年の原発事故で私たちには大きな精神的学びが訪れた。古いシステムから新しいシステムへ移行するこの時に生きてるってすごいことです。私は東日本大震災で、ひとときだけど、突然世の中のルールが変わったのを覚えている。お金があっても何も買えないという状況、大きなシステムは私たちを守ってくれるわけではないこと、「所有」は時に「荷物」にもなりうること。頑丈だと思われていたシステムは意外にも脆いものだったこと。そんななかで変わらないものは人とのつながりでした。
私はこのヤナの生き方は、ある意味先進的だと思っています。もちろん、日本では日本の土地と気候にあった暮らし方が必要だけど、もう今までのシステムではたち行かなくなっていることは明らか。それなら新しいシステムを作ることが必要だし、すぐに出来ることなら小さくても良いから実践していきたい。人を変えることはできないからまず自分から。