京都市美術館でマグリット展を見てきました。

マグリット展示

マグリット展を見てきました。平日とはいえ金曜日の京都なので結構な人出でした。マグリットの絵のなかに広がるうすいベールのかかった独特の空気感、絵の中のリアルな空間に非現実の世界。あなたが見ている世界は現実か?と問われているような、一瞬思考が混乱する感じが面白かったです。

展示の中で一番印象深かったのは「人間の条件」という絵です。

窓越しに草原と一本の木のある風景が描かれているのですが、よく見ると窓の手前には絵画用のイーゼルとキャンバス、があり、キャンバスにはその後ろにひろがる風景が描かれていて、絵の中の風景でもあり、窓の外に広がる風景でもあるという奇妙な感覚になる絵です。(検索されると出てくると思います。)

マグリットはこの絵について下記のようにコメントをしています。

「部屋の内側から見た窓の前に、私は、その絵によって隠されている風景の部分と正確に同じものを再現した一枚の絵画を配した。かくして、絵の中の木は、背後に部屋の外の木を隠すことになった。絵を見る者にとって、それは、絵の中の部屋の内側であると同時に、外側の現実の風景でもある。二つの異なった空間に同時的に存在することは既視体験(デジャ・ヴュ)を感じる場合と同じく、過去と現在を同時に生きるようなものである。」

現実の世界と思って見ている世界も、キャンバスに描かれた絵を見ているようなものであり、それが人間の認識、人間である条件なのかな。なんとなく、ジャン・コクトーの白黒の映画を思い出しました。なんてタイトルだったかな。。

メメントモリ京都

上の写真は帰りに寄ったカフェ メメントモリで。マグリット展を見た後だけにとても気になってしまった。

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