PROFILE プロフィール
田内 亜紀子 Akiko Tauchi
宮城県生まれ。日本大学芸術学部 美術学科 ビジュアルコミュニケーションデザインコース(現デザイン学科)を卒業後、広告制作会社(クリエイティブ・コミュニケーションズ株式会社LES MAINS)に6年間在籍し、2007年kicodesignとして独立。2015年までは、フリーランスで活動する傍ら、NPOや公益財団法人にて、デザイナーとして勤務しながら地域の課題解決を支援。現在は京都を拠点に、フリーランスのデザイン事務所として地域に根ざした活動をしている。ナチュラルで暖かみのあるデザインを得意とし、パンフレットやフライヤー、ウェブサイトなど幅広い媒体でデザインを提供。クライアントは、企業、個人店舗、医療系クリニック、公的機関、大学、NPOなど。京都芸術デザイン専門学校 非常勤講師(2019年) 趣味は美味しいものを食べること。
◎賞歴:1999年 日本大学優秀賞、毎日広告デザイン賞 奨励賞受賞。
美術館に行くのが好きだった幼少期
幼少の頃は運動よりも、ピアノを弾いたり、絵を描いたりするような子どもでした。 普通の住宅地でしたが、山が見渡せるところに住んでいて、ピアノレッスンの帰り道の夕方、空が濃い群青色から燃えるようなオレンジ色へ変わっていくのを見るのがとても好きでした。父親に美術館に連れて行ってもらったりしたこと、街路樹の銀杏の木を描いて褒められたこと、母親がクーピーを買ってきてくれて嬉しかったことなどを覚えています。図工が好きだった子ども時代
小学校、中学校時代もやはり音楽と美術はいつも良い成績でした。得意だったから好きというのもあると思うのですが、「美術には正解も不正解もなく自由なものである」ということがひとつの理由だったような気もします。美術館に行くと、自分の思考の枠を軽々と超えるような作品が並んでいます。その時「表現における自由」に感激したのだと思います。美術の道へ進むことを意識し始めた中学高校時代
中学・高校になると美術の授業が彫刻や版画なども加わり、より高度で楽しい制作になっていきました。高校の頃には自由制作のような作品も作るようになり、私はコラージュ作品を制作。この頃から漠然と将来は美術に関係する仕事に就きたいと思っていました。大学は地元の小さな美術系の大学に入れればいいかなと思っていたのですが、仲の良かった友達に、 「美術やデザインをやるなら東京だよ」とそそのかされ(笑)高校3年の夏休みから受験のためのデッサンの塾へ通い始め、日本大学芸術学部へ入学。デザインに関するありとあらゆることを学んだ大学時代
日芸に入り、デザインの基礎や、写真、シルクスクリーンタイポグライフィー、色彩学などデザインに関するありとあらゆるものを学び、面白い展覧会や演劇、映画があれば見に行き、さまざまなものを吸収していきました。友人たちと今でいうZINEを作ったり、展覧会も開催。デザインの研修旅行で初めて海外(アメリカ)に行き、スミソニアン博物館や、メトロポリタン美術館、ソーホーのギャラリーなどを見学。この時セコイアキングスキャニオン国立公園にも立ち寄り、大規模な自然に感動したのを覚えています。制作会社では新聞広告や販促物の制作などに従事
大学卒業後は、大手企業の広告を手がける広告制作会社(クリエイティブ・コミュニケーションズ株式会社LES MAINS)へ入社。大手家具メーカーや住宅設備機器メーカーなどの広告制作に携わりました。新聞広告やカタログ、販促物の制作などに従事し、クライアントの目的や希望を聞くところから、それを達成するための企画、撮影のディレクション、入稿・校正作業まで、一から学びました。東京での広告デザインの仕事は忙しい毎日でしたが充実したものでした。この頃から自然の中へ行くのが好きになり、同じ職場の仲間と東京近郊の山へいくようになりました。一瞬たりと同じ瞬間のない自然の美しさに魅了され、100年後もこの景色を残したいという思いから自然な流れでパーマカルチャーやオーガニックなライフスタイルに興味を持つようになりました。ニュージーランドでパーマカルチャーを学ぶ
2006年から1年間、パーマカルチャー※を学ぶためにニュージーランドへ。エコビレッジやパーマカルチャーを実践する方々のところでホームステイをしながら自然と共生する暮らしを経験。何もかもが初めてでしたが、最後の頃には薪ストーブの火もつけられるようになり、酵母を起こすところからパンを焼けるくらいになりました。イラストを描いたり、地元のチョコレート屋さんのパッケージをデザインしたりもしました。 (2007年 Rainbow Valley FarmにてPermaculture Design Cours修了)※パーマカルチャーとは自然・人への負荷を減らし、全てが循環するような暮らしや社会をつくるためのデザイン手法です。デザインを通して地域に幸せな企業・お店を増やしていきたい
ニュージーランドから帰国し、仙台でkicodesignをスタート。自然にも人にも良い影響を与えるような生き方をしたいと心に誓い、地域密着型で、地域の企業や個人店舗、NPO、大学などにデザインを提供させていただいておりましたが、2011年に起こった東日本大震災ををきっかけに京都に来ることになり、以来京都を拠点に制作をしています。途中、8年ほど、NPOや公益財団法人でもデザインの仕事をさせていただき、2016年に完全にフリーランスとなりました。 わたしは、デザインが何かを変える事の出来る力を持っていると信じています。それはビジネスであったり、ものごとへの捉え方であったり、社会であるかもしれません。一枚の葉が木を、一滴のしずくが海を作っているように、わたしも美しい世界をつくる一部となり、機能していきたい。関わらせていただいたお仕事が種となり、新しい芽を出し実を結びつないでいくことが願いであり、デザインを通して、クライアントのみなさまのビジネスや活動が良くなる、成長する、目的が成し遂げられる、問題が解決する、そんなことに喜びを感じながら、日々制作をしています。 この仕事を続けることができているのは、いろいろな方々の支えがあってこそだと常々感謝しています。デザインを通して少しでも恩返しができれば嬉しいです。 屋号: kicodesign(キコデザイン) 設立: 2007年9月 住所: 京都府京都市左京区(自宅兼事務所のため詳細はお問い合わせください) 連絡先: akiko@@kicodesign.com(@をひとつとってお送りください。)成長するkicodesignのロゴデザイン
最初に作ったkicodesignのロゴには「たね」が入っています。小さなたねのなかには木になり森になる要素が入っています。デザインというエッセンスの入ったたねをまくことでお客さまのビジネスや活動を理想に近づけるようなお手伝いをしたいと思い制作しました。
2018年にリニューアルしたロゴデザインにはたねから少し成長して「葉っぱ」を入れました。次の10年後には木になれるよう、デザインに限らず様々なことを学びながら、日々成長していきたいと思っています。